半世紀以上が過ぎた現在も語り継がれる屈指の名シーン。それは何と言っても、剣道場の静寂の中で交わされる吉川操と小林弘二の対峙シーンだ。竹刀を構える弘二に対し、操が見せる揺るぎない眼差し。言葉数は少なくても、視線と呼吸だけで感情の機微を表現したこの一幕は、青春ドラマの歴史に残る屈指のエピソードとして高く評価されている。
また、海辺での有名な問答の場面も外せない。互いの主張をぶつけ合いながらも、ふとした瞬間にこぼれ落ちる本音と切なさ。操が見せる一瞬の微笑みと、強がりの裏にある素顔のギャップに、当時の視聴者は胸を締め付けられた。彼女の表情ひとつで物語の空気が一変する圧倒的な存在感こそ、この作品の真骨頂である。