文部科学省の文化庁国指定文化財等データベースにも記録されている通り、この建造物は1931年に国の重要文化財へと指定された。現代建築の改修作業とは異なり、文化財の修復においては「創建当時の部材や構造を可能な限り残す」という極めて厳格な制約が課される。
こうした歴史的建築物の改修では、柱一本や解体した木組みの各部材に至るまで詳細な調査と手作業による補修が必要となる。伝統的な工法を受け継ぐ宮大工の技と、現代工学による耐震補強をいかに高次元で融合させるか。数ミリ単位の精度が求められる手作業の積み重ねこそが、工期が長引く最大の理由なのだ。