「とにかく手に取ったときの“重み”と“愛おしさ”が違うんです」。小町通りの老舗土産店で真剣な眼差しでキーホルダーを選んでいた20代の女性客は、興奮気味にそう語る。スマホ決済が当たり前になり、身の回りの物がすべてデジタル化・軽量化された2026年。あえて「実体のある可愛い小物」を持ち歩く揺り戻しが、10代から20代を中心に加速している。
かつて昭和の観光地で売られていた重厚な金属製ペンダントや木彫りプレート。あの独特のレトロ感が、一周回って「エモい」「Y2K・平成レトロの先にある新感覚」として評価されているのだ。小町通りの店主たちもこの変化を敏感に察知し、伝統的なモチーフを現代的な色使いや素材へとアップデート。結果として、旧来の土産物店が一躍、トレンディなセレクトショップのような熱気を帯びるようになった。