ブリーダーたちを悩ませ、同時に惹きつけてやまないのが、ブラックナイトの持つ遺伝的特性である。一般的なモルフに見られるような単純なメンデル遺伝(優性遺伝や劣性遺伝)とは異なり、ブラックナイトの色素定着はポリジェニック(多因子遺伝)によって支配されている。
つまり、「ブラックナイト同士を掛け合わせれば必ず真っ黒な子が生まれる」という単純な話ではない。交配によって生まれた幼体の中には、親譲りの深い黒を持つ個体もいれば、成長とともにグレーや茶色がかった色合いに変化してしまう個体も混ざり合う。一頭一頭の発色傾向を見極め、世代を超えて黒さを濃縮していく作業こそが、ブリーダーに求められる技術であり、価値の源泉となっている。