2000年、向井亜紀を襲った突然の病。子宮頸がんの告知とそれに伴う子宮摘出手術は、一人の女性として、そして母となることを望んでいた一人の人間として、筆舌に尽くしがたい絶望を突きつけた。しかし、夫婦は諦めなかった。医療の可能性を模索する中でたどり着いたのが、アメリカ・ネバダ州での代理母出産という選択肢だった。
当時の日本国内では、代理母出産に対する理解も制度も追いついていなかった。批判の声や懐疑的な視線が向けられる中、2003年11月、代理母の胎内から無事に双子の男児・万里(ばんり)さんと結太(ゆうた)さんが誕生する。この一連の苦悩と歓喜のドラマは、著書『会いたかった―代理母出産という選択』の中で克明に綴られ、多くの人々に命の尊さと家族の在り方を問いかけた。