病状が悪化したのは数か月前のことだ。周囲には弱音を吐かず、最後まで歌舞伎町の将来を気に病んでいたという。側近のひとりは語る。「ベッドの上でも『街の灯りを消すな』と呟いていた。あの強い眼差しは亡くなる直前まで失われていなかった」。昭和から平成、そして令和へと移り変わる激動の時代を駆け抜けた男の最期は、威厳に満ちていた。
関係者から明かされた直接の死因は老衰および多臓器不全。しかし、最期まで病床で耳を傾けていたのは、自身が情熱を注いだ店舗の様子や、若手たちが織りなす現場の生々しい声だったという。夜の街の歴史を根本から変えたパイオニアの幕引きは、あまりにもドラマチックであり、同時に深い哀愁を漂わせている。