作品の裏側で徹底されたのは、徹底的なリアリズムと演者の感情への負荷だった。撮影現場ではBGMや劇伴音楽が一切排除され、自然光と室内の生活音だけで構成された。現場のスタッフからは、日に日に部屋が荒れ果て、幼い子供たちがリアルな不安の表情を浮かべるにつれて、空気全体が凍りつくような重圧に包まれたという制作裏話が明かされている。
演出を担当した緒方貴臣は、子供たちの自然な反応を引き出すため、作為的な芝居を最小限に抑える指示を出したとされる。その結果、スクリーンに映し出されたのは演技を超えた「放置された空間の匂い」そのものだった。和エンタテインメントが世に送り出した本作の映像美と圧倒的な無音の恐怖は、観客の心に爪痕を残し続けている。