みやぞんの人間性を語る上で欠かせないのが、東京都足立区で過ごした濃密かつ特異な生い立ちです。彼の育った家庭は決して裕福ではなく、母子家庭として5人兄弟の末っ子(1男4女)として育ちました。
自著『勝手に心配むよう!』や各種ロングインタビューで明かされた家庭環境は、一般的な常識の枠組みを大きく超えています。4人の姉とみやぞんは父親が同一ではなく、近所に住んでいたプラスチック加工工場の経営者が実は自らの実父であったという衝撃的な事実も、成人後に知ることとなりました。幼少期、その男性を「近所の優しいお兄さん(おじさん)」として慕い、自宅でボクシングの手ほどきを受けていた相手が実の父親だったという事実は、彼独特の達観した死生観や人間観を育む土壌となりました。
そうした過酷とも言える境遇にあっても、家庭内は常に明るい笑いに満ちていました。その中心にいたのが、地元・足立区でスナックを営みながら女手一つで子どもたちを育て上げた実母です。母の口癖は「人と比べない」「楽しく生きればそれが正解」という徹底した受容の思想でした。貧しさを嘆くのではなく、今ある日常をどう面白がるかという母の教育方針が、みやぞんの天真爛漫なキャラクターと、他者を一切攻撃しない独自の笑いのスタイルの原点となっています。