事件の発端は1988年11月、アルバイト先からの帰宅途中に突然奪われた日常にあった。暴走族グループの少年らによって足立区内の住宅に監禁された古田順子さんは、非人道的な暴行に晒され続けた。当時、捜査の拠点となった綾瀬警察署には失踪に関する情報が寄せられていたものの、初期段階での発見には至らなかった。この痛恨の経緯は、後の捜査体制の見直しや警察の初期対応に関する議論において、今なお大きな教訓として参照されている。
近年明らかになった当時の捜査資料や関係者の証言を紐解くと、密室で行われていた蛮行の凄惨さと、SOSを発することができなかった状況の異常さが浮き彫りになる。単なる凶悪犯罪にとどまらず、周囲の無関心や恐怖による口止めが被害者を追い詰めた構図は、現代の密室型犯罪の予防策を考える上でも極めて重い課題を提示している。