「キャッシュレス化で現金を使わなくなったからこそ、現物の価値が跳ね上がっている」——都内の古銭売買専門店「Numis Japan」の代表はそう語る。キャッシュレス比率が6割を超えた現代日本において、造幣局が発行する硬貨の枚数は年々抑制される傾向にある。特に100円硬貨は日常の流通量が非常に多いため、特定の製造年にスポットが当たると市場での売買価格が跳ね上がるのだ。
単なる「昔のお金」ではない。現代のプレミア硬貨市場は、コレクターの所有欲だけでなく、インフレ局面における「実物資産」としての側面も帯び始めている。とりわけ、昭和・平成・令和の転換期や、電子決済の波に押されて発行枚数が激減した年代の100円玉は、市場に現れるやいなや即座に高値でセリ落とされる現象が日常茶飯事となっている。