歴代の国税庁長官賞の過去作品や都道府県知事賞などの上位入賞作を徹底分析すると、審査員から極めて高い評価を受ける作品には明確な共通項が存在します。それは「税金の歴史や制度を辞書的に解説した文章」ではなく、「私と税金の接点をリアルに描いた物語」になっているという点です。
具体的に、税の作文の入賞作品が持つ特徴は次の3点に集約されます。
第一に、「日常の具体的な違和感や感謝」から始まっている点です。自分が怪我をして病院で治療を受けたときの窓口負担の低さ、通学で利用する橋や道路の修繕工事、豪雨災害からの復旧作業など、自らの生活圏で起きた出来事が起点となっています。
第二に、「調べる前と後での自分の内面的な変化」が描かれている点です。「単に引かれるものだと思っていた消費税が、実は地域医療や社会保障を支える命綱だった」というように、無知だった過去の自分が学びを経て視野を広げるプロセスが説得力を生みます。
第三に、「これからの社会に対する自分なりの姿勢(納税者としての自覚)」で締めくくられている点です。税金を他人事ではなく、社会を共に維持するための「参加費」として捉え直す前向きな決意が、読み手に深い余韻を残します。