「ビー玉びーすけ」の根底を支えているのは、極限まで磨き上げられたピタゴラ装置の制作技術だ。物理学とデザインを融合させたこれらの物理カラクリは、ルーブ・ゴールドバーグ・マシン(Rube Goldberg machine)と呼ばれる複雑極まりないカラクリ装置の系譜を継承しつつ、独自の進化を遂げている。
企画・制作を主導するクリエイター佐藤雅彦氏らのチームは、一切のCG合成に頼ることなく、重力と力学の力のみで「危機一髪の逃亡劇」を表現した。例えば、絶妙なタイミングで倒れてくる障害物や、間一髪で主人公をすり抜けさせるテコと滑車のシステム。何百回もの試行錯誤を経て完成したコンマ数秒単位の緻密な仕掛けが、視聴者に「本当に命がけで逃げている」かのような錯覚と緊張感を与える。ストーリーと物理ギミックが完全にシンクロする瞬間の快感こそ、本作の真骨頂と言える。