放送当時からファンの間で熱心に議論されてきたのが、吉原光夫が絡むエピソードに秘められた真の狙いである。単なる事件の関係者という枠を超え、主人公・杏子が弁護士としての覚醒を遂げるための「決定的な触媒」として機能していた点だ。現場の緊張感を極限まで高めた彼の即興的な間合いや重厚な肉声に対し、常盤貴子が見せた一歩も引かない眼差しは、演技を超えた真剣勝負そのものだった。
撮影現場の裏話として、舞台俳優ならではの空間掌握力にスタッフ陣も息を呑んだと伝えられる。彼が発する特有のリアリティは、法廷という閉鎖空間で展開される人間ドラマに強烈な説得力を与えた。真相を紐解く鍵は、セリフの行間に潜む登場人物たちの罪の意識と、それを容赦なく暴き出す弁護側の倫理観のせめぎ合いにある。