この現象はスピリチュアルな領域にとどまらず、エンターテインメント界をも巻き込む大渦となっている。日本映画界が誇る鬼才・黒沢清監督が、大手映画会社の東映株式会社とタッグを組み、映画作品『白いヤモリの出る家』を完成させたのだ。日本各地の古い邸宅を舞台に、白いヤモリの出現をきっかけに翻弄されていく家族の運命を緻密な心理描写で描き出している。
本作は、怪異と美しさが背中合わせに存在するスピリチュアル・ミステリーとしての側面を持ちながら、各地方に今なお残る信仰の形を丹念に取材した民俗学ドキュメンタリーのような静けさと奥行きを兼ね備える。スクリーンの端々に漂う不穏さと、圧倒的な神聖さのコントラストが観客の心を捉えて離さない。