2014年から2015年にかけてNHK総合で放送された連続テレビ小説『マッサン』は、スコットランドで本場のウイスキー造りを学んだ技術者と、彼を支えたスコットランド人妻の愛の足跡を描いた伝記ドラマだ。しかし、放映当時から一部の視聴者の間で疑問が広がった。主人公のモデルとなった竹鶴政孝の成功を描く陰で、その創業パートナーであった鳥井信治郎をモデルにした人物の役割が矮小化されているのではないかという懸念だ。
インターネット上では「サントリーホールディングスが創業者の描かれ方に猛反発した」「NHKに直接抗議を入れた」といった極端な言説すら散見された。しかし、サントリー側が公式に激怒し申し入れを行ったという客観的記録は一切存在しない。むしろドラマ放送中、空前のウイスキー需要が押し寄せ、同社の主力商品が店頭から消えるほどの空前の特需が発生していたのが歴史的真実である。