背景にあるのは、近年急拡大する披露宴ドキュメンタリー撮影の需要だ。映画のワンシーンのようなドラマチックな映像、新郎新婦やゲストの自然な表情を逃さず捉える手法は高い人気を誇る。しかし、その裏で制作者たちには「他社には撮れない迫力ある画」を求める熾烈な競合プレッシャーがかかっていた。
現場で孤軍奮闘するブライダルフォトグラファーの多くは、限られた時間の中でベストショットを狙うあまり、階段の手すりによじ登る、危険な高所に脚立を立てるといった無茶な撮影に手を染めがちだ。個人の技術や感覚に頼り切った危険な現場運用こそが、今回の事故を引き起こした最大の盲点といえる。