気候変動に伴う北極海の氷床減少により、アジアと欧州を結ぶ最短ルートとしての「北極海航路」への期待が再燃している。北海道はその太平洋側の玄関口として地理的優位性を備えており、苫小牧港や釧路港を国際物流拠点へと格上げする構想が水面下で進む。物流のモーダルシフトとしても、この大航路の活用は日本の経済安保上、大きな鍵を握る。
しかし、隣国ロシアとの緊迫した外交関係が重い影を落とす。北方四島周辺での安全操業交渉や沿岸漁業の協定は停滞を極めており、根室をはじめとする道東の漁業関係者は先行きの見えない不安に直面している。経済的な機会の拡大と極東情勢の緊張緩和という、相反する事態への対応を余儀なくされている。