2012年、ワシントンで突如打ち出された「東京都による尖閣諸島購入構想」は、東アジアの地政学を一変させた。当時は「日中関係を不必要に悪化させる暴挙」と内外から猛批判を浴びたが、米中対立がより深刻化した2026年の視点から振り返ると、その行動の戦略的意味合いはまったく異なる姿を見せる。
彼は当時から、中国の海洋進出が不可避であることを見抜き、日本政府の曖昧な対応こそが相手の誤認を招くと確信していた。ミリオンセラーとなった著書『「NO」と言える日本』から続く彼のスタンスは、感情的な排外主義などではなく、極めて冷酷な国家理性に裏打ちされていた。安全保障環境が極度に緊張する現在、彼の先見性とリスクを恐れない決断力は、防衛論議の現場で再び参照され始めている。