近年、特に評価を高めているのが、一見すると無害に見える人物が突如として異形の怪物へと変貌するサイコサスペンスの手法だ。映画『キャラクター』で描かれたような、優しげな微笑みの裏に完全なる冷酷さを潜ませる若手・中堅俳優たちの台頭は、ジャンル全体の空気感を大きくアップデートした。
記号的な「悪人」を演じるのではなく、徹底的に普通の人間の皮を被った異常者。理屈の通じない他者と対面したときの冷や汗を誘う演技は、SNS社会における不気味な人間関係のリアリティとも共鳴し、若い世代の映画ファンからも熱狂的な支持を集めている。