線画が完成した後の着彩工程において、シワの立体感を決定づけるのが「明暗境界線」と「影のグラデーション」のコントロールです。
服のシワに影を落とす際、すべての影を同じブラシでぼかしてしまうと、ビニールのような不自然な質感になってしまいます。布のシワには、光が遮られて落ちる境界がくっきりした「落ち影(キャストシャドウ)」と、布の曲面に沿って滑らかに変化する「陰(フォームシェイド)」が混在しています。
シワの山の頂点から光を受ける側は明るく残し、窪んだ谷の部分には境界のハッキリした濃い影を置きます。そして、山から谷へと移行する斜面の部分に柔らかいグラデーションを効かせます。さらに、影の最も暗い部分のキワにわずかな「反射光」を取り入れることで、布の重なりに奥行きが生まれ、一気にプロクオリティの重厚感へと昇華されます。