NHKの人気番組『パン旅。』などをきっかけに、地方や郊外にひっそりと佇む実力派のパン屋へ足をのばす「パン巡り」のトレンドが一般化した。主要駅から離れた住宅街の一角や、豊かな自然に囲まれた郊外のパン屋が、遠方からの客で連日賑わいを見せる光景も珍しくない。
こうした現象は、製パン業における店舗経営のあり方そのものに変革を迫っている。立地の不利をSNSや口コミで補い、特定の商品に特化することで強いファン層を獲得する店舗が増加中だ。小規模経営ながらも独自の発酵理論や地元食材とのコラボレーションを打ち出し、都市部の有名店にも負けない存在感を示すシェフたちが全国各地で芽吹いている。