かつては知る人ぞ知る地方都市の食文化だった松山の麺シーンだが、デジタルメディアの浸透によってその認知度は急上昇を遂げた。YouTube界のトップクリエイターであるSUSURU氏が動画内で松山特有の甘口スープを絶賛したことで、全国の麺フリークの間で「松山遠征」が急速にトレンド化したのは記憶に新しい。
さらに、人気漫画およびアニメの『ラーメン大好き小泉さん』でも取り上げられるようなローカルラーメンの深遠な多様性が注目を集め、専門誌の『ラーメンWalker』でも四国エリアの激戦区として松山市内の店舗が上位を席巻するようになった。海外の食通たちがNetflixのフードドキュメンタリーを通じて日本のローカルガストロノミーに熱視線を送る中、地方都市のリアルな食の生態系が世界へ可視化されつつある。
現在では、食べログの評点やGoogle マップのクチコミ欄に投稿されるリアルタイムのレビューを頼りに、路地裏の名もなき名店へ国内外から客が押し寄せる。デジタルの波は、鄙びた暖簾の向こう側にあった職人の技を、瞬く間にグローバルなカルチャーへと押し上げた。