移住者の属性が変わってきた。数年前までの「子育て世代のお試し移住」にとどまらず、2026年現在は30代〜40代のIT事業者やスタートアップ創業者が本社機能を移転させるケースすら珍しくない。不動産事業者の話によれば、海が見える高台の物件やリノベーション可能な古民家への問い合わせは前年比で4割増。価格の割に圧倒的な生活クオリティが得られる点が高く評価されている。
土地の価値も堅調だ。都心まで高速バスで直行できるアクセスの良さを保ちながら、都市部での住居費高騰からエスケープする受け皿として機能している。「東京まで90分という距離感が絶妙だ」と、IT企業を経営しながら市内に拠点を構えた30代男性は語る。緊急時にはすぐに都内へ駆けつけられる安心感が、地方移住の心理的ハードルを大きく切り崩した。