愛犬の寝ている時の痙攣は病気?夢との違いと危険サインを獣医師が解説

愛犬の寝ている時の痙攣は病気?夢との違いと危険サインを獣医師が解説

愛犬の寝ている時の痙攣は病気?夢との違いと危険サインを獣医師が解説についての最新情報を徹底解説します。

臨床獣医学の現場において、睡眠中に発症する発作性疾患は早期発見が生死や予後を大きく左右します。以下に挙げる5つの徴候のいずれかが認められた場合は、単なる寝相や夢ではなく、病的な痙攣発作である可能性が極めて濃厚です。

第一のサインは「呼びかけても起きない痙攣」です。声をかける、体を撫でるといった外部刺激を与えても全く覚醒せず、虚空を見つめたり硬直を続けたりする場合は意識障害を伴う発作です。

第二のサインは「白目をむく・失禁・泡を吹く」といった自律神経系の重篤な乱れです。口から大量の唾液や白い泡を溢れさせ、瞳孔が開いたまま眼球が上転する、あるいは無意識に排尿・排便してしまう状態は、大脳全体が強い興奮状態に陥っている典型的な発作症状です。

第三のサインは「四肢の突っ張り(全身強直)や激しい遊泳運動」です。生理的ミオクローヌスのピクピクとした局所的な揺れとは異なり、四肢が棒のようにピンと突っ張る、あるいは背中を弓なりに反らせてバタバタと激しくもがくような動きを見せます。

第四のサインは「発作後のふらつきや異常行動」です。発作が治まった後、部屋の隅に頭を押し付ける(ヘッドプレッシング)、目が見えていないように壁へ衝突する、飼い主の顔を認識できず威嚇するといった「発作後愁訴(ポストイクタル・フェーズ)」が数十分から数時間続くケースです。

第五のサインは「発作の持続時間が2分を超える、または短時間で繰り返す」ケースです。てんかん重積状態や群発発作に発展すると、脳浮腫や多臓器不全を引き起こし命に関わるため、一刻を争う救急処置が求められます。

また、成犬に多い特発性てんかんだけでなく、生後数ヶ月の子犬やトイ・プードル、チワワなどの超小型犬では犬の低血糖症によるけいれんもしばしば見られます。長時間の絶食や寒冷ストレスによって血糖値が危険域まで低下すると、睡眠中に突然痙攣を起こすため、速やかな鑑別が必要です。

佐々木 一輝
Author

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。