いくら端末側で電力消費を抑えても、給電側のインフラが脆弱であれば充電速度は上がりません。現代の充電環境において中核となるのがUSB PD対応充電器の導入です。
従来の一般的なUSB-A端子(5V/1A=5Wや5V/2.4A=12W)では、近年の大容量バッテリー(4,500mAh〜5,500mAh超)を満たすのに2時間以上を要します。これに対し、USB Type-Cポート経由で高電圧・高電流をインテリジェントに制御するUSB PD(Power Delivery)規格では、20W〜30W以上の高出力を一瞬で供給可能です。一般的なスマートフォンであれば、0%から50%までの回復をわずか20分〜30分程度で完了させます。
見落とされがちな落とし穴が充電ケーブルワット数の仕様です。市販のUSB-Cケーブルには、一般的な「60W(20V/3A)対応」と、eMarkerチップを内蔵した「100W / 240W(USB PD 3.1 Extended Power Range)対応」が存在します。スマートフォン単体の充電であれば60W対応ケーブルで十分な性能を引き出せますが、断線しかけた粗悪なケーブルや急速充電規格に非対応の古いケーブルを使用していると、安全回路が作動して5W以下の低速モードに強制固定されてしまいます。
また、外出先で頼りになるモバイルバッテリー出力比較においても、単なる「容量(mAh)」ではなく「単ポート最大出力(W数)」の確認が欠かせません。PD 20W〜30W以上の出力に対応した窒化ガリウム(GaN)採用モデルを選ぶことで、移動中の短時間でも効率的なリカバリーが実現します。