「避妊手術や去勢手術を受けたら、急にお腹の皮が垂れ下がってきた」と感じる飼い主は非常に多いです。これには術後のホルモンバランスの変化と代謝の低下が深く関係しています。
生殖器を摘出すると基礎代謝量が約20〜30%減少する一方で、食欲が増加しやすくなります。その結果、一時的に付いた下腹部の脂肪が運動や体重管理で落ちた際、一度伸びた皮膚が元に戻りきらず、たるみとして残る現象が起きます。また、術創周辺の組織が回復する過程で皮膚の張りが緩むことも要因の一つです。
さらに、加齢(シニア期への移行)による筋肉量の低下も見逃せません。7歳を過ぎたあたりから腹筋の筋力が落ち、内臓を支える力が弱まることで、若い頃よりも下腹部の垂れ下がりが強調されて見えるようになります。
一方で、「うちの猫にはルーズスキンがまったくない」というケースもあります。子猫期は皮膚に十分な弾力があり筋肉も未発達なため目立ちません。また、品種による骨格の違いや個体差も大きく、筋肉質で引き締まった体型の猫や特定の血統では、大人になってもたるみがほとんど確認できないことがあります。たるみの有無自体に優劣はなく、愛猫の体格として自然な範囲であれば心配はいりません。