本作が単なる一過性のブームに終わらず、今なお語り継がれる理由は、実力派キャスト陣による圧巻の演技合戦にある。周囲の顔色ばかりを伺い、自分を見失っていた主人公・大島凪を演じたのは黒木華。天真爛漫さと内面の脆さを併せ持つ複雑なヒロイン像を、圧倒的なリアリティで表現してみせた。
凪の元カレ・我聞慎二を演じる高橋一生の怪演も見逃せない。ツンデレという言葉では片付けられない、不器用すぎる愛の屈折と陰での号泣シーンは、視聴者の心を掴んで放さなかった。さらに、隣人のイベント系メンヘラ製造機・安良城ゴン役の中村倫也が見せる脱力系の包容力と色気は、SNS上でも大きな話題を呼んだ。
この3人が生み出す奇妙で切ない三角関係は、極上のラブコメディでありながら、生きづらさを抱える現代人の救済を描いた深いヒューマンドラマとしても機能している。