この歴史的名曲を生み出した制作陣の手腕も見逃せません。作詞は「東京ムービー企画部」名義(実質的には当時の制作スタッフ陣の総意を結集したもの)、作曲・編曲は数々の名作アニメ劇伴を手掛けた三沢郷氏が担当しました。
イントロのストリングスとスネアドラムの緊張感あふれるアタックは、まさに試合開始を告げる審判のコールのように聴き手を引き込みます。「サーブ スマッシュ ボレー」というテニスの基本技術を小気味よいリズムに乗せつつ、マイナー調の劇的なメロディ展開へと雪崩れ込む構成は、三沢郷氏による職人技の結晶です。
そして、この重厚な楽曲に魂を吹き込んだのが、アニソン界のレジェンド歌手・大杉久美子氏です。大杉氏の清らかでありながら芯の強いボーカルは、ひろみの可憐さと、試練に立ち向かう不屈の闘志という二面性を鮮烈に描き出しました。叫び立てるのではなく、凛とした透明感をもって歌い上げることで、かえって歌詞に潜む孤独と執念が際立つ構造になっています。