ネット上の情報では「ナンプラーを使わないと本物のガパオライスとは呼べない」という言説を見かけることがあります。しかし、食文化の歴史的背景を紐解くと、これは明らかな誤解であることが分かります。
そもそも「ガパオ(กะเพรา)」とはタイ語で調味料ではなく「ホーリーバジル」というハーブそのものを指します。本場タイの屋台や食堂における調理現場を取材すると、味付けには魚醤(ナンプラー)だけでなく、シーユーカオ(タイの白醤油)、シーユーダム(タイの黒甘醤油)、そしてオイスターソースがふんだんにブレンドされています。
つまり、タイ現地でも「オイスターソースと大豆由来の醤油」が味作りの主役級を担っており、ナンプラー単体に依存しているわけではありません。日本の醤油とオイスターソースを使って調理することは、邪道どころか現地の調味バランスの理にかなった正当なアプローチなのです。