中条あやみが水着グラビアを展開しない背景には、日本の芸能界におけるブランディング戦略と所属事務所(テンカラット)の綿密なプロデュース方針があります。
彼女は2011年、雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」でグランプリを受賞し芸能界入りを果たしました。セブンティーン時代から一貫して「女子中高生のカリスマ」として育てられ、その後2017年には20歳で『CanCam』の専属モデルへ電撃移籍。同世代の女性読者にとっての「憧れのミューズ」というポジションを強固に築き上げてきました。
芸能界には大きく分けて2つのプロモーション導線があります。ひとつは男性向け週刊誌やマンガ誌の巻頭グラビアを足がかりに知名度を獲得するステップ。もうひとつは、ティーン向けファッション誌からスタートし、ハイブランドのアンバサダーやドラマ・映画の主演へと駒を進めるステップです。後者のルートにおいて過度な肌露出を行うことは、メインの支持基盤である女性ファンの共感を損なうリスクや、コスメブランド・高級メゾンの広告契約における起用ハードルを上げるリスクを伴います。
彼女自身、過去のインタビューにおいて「自分の体型にコンプレックスを抱いていた時期もあったが、運動や日々のケアを通じて健やかな心身を保つことの大切さに気づいた」と述懐しています。身体を他者の視線に向けて「客体化」するのではなく、自立したプロフェッショナルとして表現のツールに昇華させるという明確な意識が、グラビアという選択肢を排除させた要因と言えます。