だが、彼の歩んできた道のりは決して平坦なものばかりではなかった。数年前、彼を襲ったのは深刻な健康上の危機だった。ステージ4の肺がんを筆頭に、複数の重篤な病魔との闘いが彼を待ち受けていたのである。
厳しい治療と過酷なリハビリ。一時は死すら覚悟したという闘病生活だったが、彼は決して情熱の灯を消さなかった。「もう一度現場に戻りたい」「まだ伝えたい言葉がある」。その強い執念が奇跡的な回復を引き寄せた。病を乗り越えてカメラの前に復帰した彼の演技には、それまで以上に深い「生のぬくもり」が宿るようになった。死を凝視した者だけが持つ圧倒的な説得力。それが現在の彼の演技の芯になっている。