逮捕後、長崎家庭裁判所において実施された長期の精神鑑定では、彼女の心理状態および精神構造について詳細な分析が行われました。
鑑定結果によると、彼女にはASD(自閉スペクトラム症)の強い傾向が認められ、他者の感情を直感的に把握する「共感性」の発達に著しい偏りがあったことが判明しています。また、母親の死や父親との確執による強いストレスから、自分の身体や感情を切り離して観察する「解離症状」が進行していたことも指摘されました。
精神医学の観点から彼女の絵画作品を分析すると、描かれたモチーフには「感情の平板化(Flat affect)」と「対象の過度な客観化」が強く現れています。一般的な思春期の少年少女が描く絵画に見られる情緒的な揺らぎや自己表現欲求よりも、まるで解剖標本を記録するかのような冷徹な観察眼が画面を支配していました。
表現行動は、彼女にとって内面の衝動をコントロールするための防衛機制として機能していた側面があり、絵画という枠組みを超えて衝動を行為へと移行させてしまった背景には、急激な孤立と精神的ケアの機能不全が存在していました。