ひろしが国民的キャラクターとして長く愛されている理由は、単なる数値上のハイスペックさだけではありません。日々の等身大の泥臭さと、家族への献身が共存している点にあります。
公式スピンオフ漫画『野原ひろし 昼メシの流儀』でも克明に描かれている通り、ひろしに与えられた毎月のお小遣いは約3万円。限られた予算の中でいかに美味いランチを楽しむか、部下の川口や後輩社員にどうスマートに奢るかなど、世のサラリーマンが直面する悲喜こもごもを全力で生きています。
そして、作中最大のアイコンとも言えるのが「クレヨンしんちゃん ひろしの靴下」です。生物兵器並みの激臭を放つアイテムとして映画やアニメ本編で数々の敵を撃退してきたこの靴下は、単なるギャグではありません。都心の一等地にオフィスを構えながら、汗水垂らして外回りの営業をこなす「働く父親の勲章」でもあります。プライドを捨てて家族のために駆け回り、帰宅後は子どもの入浴を手伝い、晩酌のビールを至福とするその姿に、視聴者は深い愛着を覚えるのです。