ネット検索で「富山県立大学 難易度 やばい」や「評判 やばい」といったフレーズを目にして、学力水準の低さや環境の悪化を連想する受験生は少なくありません。調査を進めると、この言葉には真逆の2つの文脈が混在している実態が浮かび上がってきます。一方は「地方公立だから簡単に入れるだろう」と侮った受験生が試験問題の記述量の多さに圧倒された際の声、そしてもう一方は「中堅レベルの偏差値帯でありながら、大手上場企業への内定率が異様なほど高くてやばい」という産業界からの驚嘆です。
富山県は日本海側屈指の工業集積地であり、売薬文化から発展した医薬品産業をはじめ、金属加工、精密機械、電子部品などのトップシェア企業が多数本社や主要拠点を置いています。富山県立大学の工学部就職先を精査すると、YKKグループ、不二越、三協立山、日医工、北陸電力といった地元インフラ・優良メーカーはもちろん、ファナック、キーエンス、スズキ、日立製作所など全国展開する巨大メーカーへの採用実績がずらりと並びます。キャリア支援センターの担当者は「本学の学生は学部時代から過密な実験・実習を課されているため、工場や開発現場での立ち上がりが圧倒的に早いと人事から評価されている」と自信を覗かせます。
さらに近年は富山県立大学の情報工学部が新設・拡充されたことで、地方都市のDX需要と全国的なIT人材不足の波を真正面から捉えました。データサイエンスやAI開発を担える人材への引き合いは凄まじく、東京の大手SIerやメガベンチャーからの求人も急増しています。「偏差値に対して就職の出口が強すぎる」という構造的優位こそが、ポジティブな意味で「やばい大学」と呼ばれる最大の要因です。