インターネット上の検索エンジンで関連ワードを調べると、「空き店舗の真相」「ゴースト化」といったネガティブなキーワードが目につきます。しかし、現場の綿密なフロア観察と最新のリーシング状況を照らし合わせると、ネット上の噂と現実の間には明らかなズレが存在します。
結論から言えば、商業エリアとしての主要フロア(地下1階〜地上4階)において致命的な空き床の放置は起きていません。そごう撤退直後の2026年頃は、白い仮囲いがフロアの大半を覆い、確かに寂涼とした空気が漂っていました。しかし、2026年以降の順次リニューアルによってその大部分は解消されています。
では、なぜ今も「空き店舗が多い」というイメージを持たれやすいのでしょうか。取材を通じて判明した要因は次の3点に集約されます。
- 中層・上層階(5階以上)の用途転換:商業フロアではなく、徳島市の公共施設(市民サービスセンターやパスポートセンター)や徳島県関連施設、オフィスフロアへの用途転換が進んだため、買い物客から見ると「商業店舗が消えた」と映る点。
- フロア面積の広大さ:地方都市の駅前ビルとしては延床面積が約8万平方メートルと桁外れに大きく、一部の通路沿い区画でテナント入れ替え工事が行われているだけで、閑散とした印象が強調されてしまう点。
- 東館・西館の連絡構造の複雑さ:専門店街側と旧百貨店側の動線設計が入り組んでおり、特定の区画への歩行者流入が滞りやすい構造的欠陥が残されている点。
徳島都市開発の収益構造は、単なる物販テナントの賃料収入だけに依存する脆弱なモデルから、行政機能や公共サービスの入居による「固定的・安定的な賃料収入」をベースとしたポートフォリオへと再構築されています。商業的な華やかさだけに目を奪われると本質を見誤りますが、経営的な健全化という観点では極めて現実的かつ堅実な再生路線が敷かれています。