ピカタ作りで最も多い失敗が、「ひっくり返した瞬間に衣がベロンと剥がれる」現象だ。原因は、下粉(小麦粉)のつけすぎ、または肉表面の水分過多にある。肉に下味を吸わせた後、表面の余分な水分をペーパーで軽く押さえ、茶こしを使って小麦粉を極薄く、均一にまとうことが鉄則だ。
フライパンに油を引いて中弱火で温めたら、肉を卵液にくぐらせて静かに置く。ここで焦って触るのは禁物だ。底面の卵が固まるまで約2分、じっと待つ。裏返す直前に余った卵液をスプーンで肉の上面に重ね塗りし、返した後は蓋をして弱火で蒸し焼きにする。この2段構えの工程が、剥がれない濃密な衣とふくよかな食感を約束する。