この市場の過熱ぶりに、世界最大のファッション帝国も黙ってはいない。ルイ・ヴィトンやディオールを擁するLVMHグループは、リゾートウェアおよびスイムウェアカテゴリーへの投資を大幅に強化。世界各地の高級ビーチリゾートでのポップアップストア展開や、専業ブランドの買収・協業を精力的に進めている。これは単なる一時的なブームへの対応ではない。
背景にあるのは、アパレル産業における顧客層のライフスタイルの変化だ。富裕層を中心に、気候の温暖な地域へ旅する頻度が増加したことで、リゾート向けの衣服は「夏だけの消耗品」から「通年投資する高価格帯ワードローブ」へと意識が変化した。市場規模の拡大に伴い、ハイブランドが続々と参入。かつてファストファッションやスポーツブランドが主流だったマリンウェアの領域に、オートクチュールの繊細な仕立てや最高級の天然素材が惜しみなく投入されている。