この朝市が食い倒れの聖地と呼ばれる所以は、港町ならではの鮮度と豪快な屋台風グルメの競演にある。寒空の下でまず味わいたいのが、郷土の味を熱々で提供する八戸せんべい汁だ。鶏や煮干しの出汁をたっぷり吸い込んだ南部煎餅は、まるですいとんのようにもちもちとした独特の食感に変わり、体の芯からじんわりと温めてくれる。
さらに長蛇の列を作るのが、早朝から揚げたてを提供する鶏の手羽先唐揚げや、炭火で香ばしく焼き上げられるサバやイカの串焼きだ。港から揚がったばかりの魚介をその場でさばいた海鮮丼も飛ぶように売れていく。焼きたてのパンや串もち、ドリップコーヒーの芳醇な香りまでが混ざり合い、歩くたびに食欲を刺激する誘惑が途切れることはない。