本作に通底しているのは、かつて一世を風靡した『必殺仕事人』シリーズが持っていたダークな魅力の現代的アップデートだ。法で裁けぬ悪を闇に葬るカタルシスを踏襲しながらも、主人公自身が決して無傷の正義の味方としては描かれない点が極めて今日的である。
泥臭い人間臭さと、目的のためには手段を選ばない冷徹さ。このアンビバレントな魅力が、古典的な枠組みをフレッシュなエンターテインメントへと昇華させている。時代劇というジャンルが培ってきた豊かな土壌の上に、極めて現代的な倫理観の揺らぎを提示する試みは、若い世代の映画ファンをも惹きつけるに違いない。