自分の目で直接確認できない後頭部は、セルフカットにおいて最もミスが発生しやすいゾーンだ。鏡に映る像は左右が反転しているため、脳の視覚処理と手元の運動感覚にズレが生じる。この違和感を解消できないまま刃を動かすと、予定よりも高く刈り上げすぎたり、ラインが傾いたりするトラブルを引き起こす。
現役の美容師が指摘するように、人間の頭部は複雑な球面を描いている。特に襟足付近は生え癖が人によって異なり、毛髪の生える向きもバラバラだ。直線的に刃を走らせるだけではムラが生じ、生え際が削れすぎてしまうため、部位ごとの立体構造を意識しながら慎重にアプローチしなければならない。