精神疾患の治療において、家族と本人の感情が癒着する「巻き込まれ」は病状の慢性化を招く大きな要因です。精神病の家族との共倒れを防ぐ方法として最も効果的なのは、心理的・物理的なバウンダリー(境界線)を引くことに他なりません。
日常の会話では、本人の感情的な訴えに過度な同調や反論をせず、「そう感じているんだね」と事実のみを受け止める精神病の家族との距離の置き方を実践してください。また、家の中に鍵がかかる個室を確保したり、週末だけホテルや実家で過ごしたりするなど、物理的に離れる時間を意識的に設けることが大切です。
なお、長年のトラブルから「どうしても縁を切りたい」と悩む方も少なくありません。法律上、精神疾患の家族と縁を切る法律(親子関係を完全に断ち切る法的手続き)は原則存在しませんが、民法上の扶養義務は「自らの生活を成り立たせた余力の範囲」で果たすものと解釈されています。住民票の閲覧制限をかけたり、世帯分離を行って連絡窓口を第三者機関に一本化したりすることで、法的なリスクを避けつつ実質的な距離を保つ運用は十分に可能です。