インターネット上の掲示板やSNSでは、二次創作の法的解釈について数多くの都市伝説や誤解が氾濫しています。現場の取材を通じて見えてきた、特に危険な3つの典型的な誤解を検証します。
誤解1:「公式ガイドラインにR18禁止と書いていなければ描いても良い」
これは創作者の間で最も頻繁に見られる間違いです。公式ガイドラインは「一定の条件下において、権利者が例外的に著作権の行使を控える(許諾する)」ための文書に過ぎません。ガイドラインに成人向け表現に関する記述がない場合、それは「許諾された」のではなく、「何の許諾も与えられていない、原則通りの違法状態(無断使用)」であることを意味します。沈黙を肯定と解釈するのは法的に致命的な過信です。
誤解2:「モザイクや修正を強く施していれば著作権侵害にならない」
局部の修正度合いは、刑法第175条(わいせつ物頒布等の罪)に抵触するか否かの判断基準に過ぎません。著作権法における複製権・翻案権・同一性保持権の侵害とは全く別の法益です。どれほど完璧に局部の修正を行っていたとしても、キャラクターの絵柄や特徴を無断で使用して性的な文脈に当てはめている時点で、著作者人格権侵害の成否には一切影響を与えません。
誤解3:「投げ銭や支援金という名目なら販売ではないため商用利用にならない」
ファンサイト等でよく見られた「作品そのものを売るのではなく、活動への支援金をいただいたお礼として作品を限定公開する」という主張は、司法判断において完全に通用しません。対価性と著作物の提供に実質的な因果関係が認められる以上、名目が「寄付」であれ「支援」であれ、法的には営利目的の利用と同一視されます。税務上・法務上の双方から見て、極めて脆い詭弁に過ぎないのが実態です。