一方で、この現象は予期せぬ社会的副産物を生み出し始めている。生産拠点として選ばれた岡山や宮崎の遊休農地、さらには廃校を活用した植物工場が、突如として地域経済の救世主として脚光を浴びているのだ。
「農家の高齢化で耕作放棄地となっていたエリアが、最新鋭のカルチャー発信基地に生まれ変わった」と、地元自治体の担当者は興奮を隠さない。収穫や出荷のプロセスには現地の若年層が積極的に雇用され、地方における新たなアグリビジネスの雇用モデルとしても注目を集めている。さらに、残渣となったバナナの繊維を利用したオリジナルグッズの開発など、循環型経済の実践としても高く評価されつつある。
ポップカルチャーが持つ莫大な発信力が、長年膠着していた第一次産業の課題を突破する突破口になる――そんな実証実験が、いま目の前で進行している。