マイクの選定において、避けて通れないのが業界標準として君臨する2大エントリー名機の存在です。それぞれの音質傾向とリアルな使用感を分析します。
ダイナミックマイクの金字塔が「Shure SM58」(実売約14,000〜16,000円)です。1966年の発売以来、世界の音楽ステージを支えてきた伝説的モデルであり、ボーカルの中音域に力強い厚みを与える周波数チューニングが施されています。多少手荒に扱っても壊れないタフネス性能と、ポップノイズ(吹かれ)を抑える内蔵球型フィルターが特徴です。ネット上の評判でも「声がしっかり前に出る」「雑音が驚くほど入らない」と定評がある一方、マイクから15cm以上離れると極端に音量が下がり低域が痩せてしまうため、常に口元3〜5cmの位置をキープして話すマイクワークが求められます。
対するコンデンサーマイクの世界的スタンダードが「Audio-Technica AT2020」(実売約12,000〜14,000円)です。上位モデル譲りの高耐入力設計とクリアでフラットな高域特性を持ち、「歌ってみた宅録マイク比較」では必ず最有力候補として挙げられます。息の成分や声のニュアンスを繊細に描き出す解像度はダイナミックマイクを圧倒しており、アコースティックギターのアルペジオやウィスパーボイスの収録では同価格帯のライバルを寄せ付けない実力を誇ります。ただし、マイクスタンドからの微振動を拾いやすいため、別売りのショックマウントやポップガードの併用が必須となります。