WEB検索や動画共有サイトでは、極めて危険な民間療法や誤解を招く情報が横行しています。その最たるものが、「くるみアレルギーの治し方」として「毎日ひとかけらずつ食べさせれば免疫がつく」と主張する自己流の減感作療法です。
医療従事者が最も強く警鐘を鳴らしているのが、家庭内での自己判断によるナッツ摂取です。ナッツ類のタンパク質は熱や消化酵素に強く、微量であっても体内の免疫グロブリンと急速に結合し、数分から数十分で気道狭窄や血圧低下などのアナフィラキシーショックを引き起こします。過去には自宅での自己流摂取により心停止に陥った重篤な医療事故も報告されています。
日常におけるナッツアレルギーの誤食予防策として、以下の盲点を再確認する必要があります。
- 交差反応のトラップ:くるみアレルギーの人はペカンナッツに、カシューナッツアレルギーの人はピスタチオにほぼ同等のアレルギー反応を起こします。
- 加工食品の隠れナッツ:カレーの隠し味(ピーナッツペースト)、焼き菓子の風味づけ(アーモンドプードル)、健康志向の植物性ドレッシングなど、目視できない形状での混入が多発しています。
- 製造ラインのコンタミネーション:同一工場内でナッツ類を扱っている場合、器具の洗浄不足による微量付着だけで発症するケースがあります。
万が一の誤食時に備え、ナッツアレルギーのアナフィラキシー対処法を家族や学校、職場全体で共有しておくことが不可欠です。激しい咳き込み、腹痛・嘔吐、全身のじんましん、ぐったりするなどの症状が現れた場合、迷わず直ちにエピペン(アドレナリン自己注射薬)を大腿部前外側に筋肉注射し、同時に119番通報を行う決断力が命を救います。