ミシンのまつり縫いにおいて、多くの人が「なぜか表に点々と糸が見えて目立つ」「履こうとしたら裾がバラバラとほどけてしまった」という苦い経験をしています。このまつり縫いミシン失敗理由の根本は、ミシンが生地を縫い留めるメカニズムと、布の折り位置のわずかなズレにあります。
ミシンのまつり縫いは、直線縫い数目に対して1回だけ左側にジグザグ針が振れ、折り山(表地)の繊維をわずかにすくう構造になっています。ここで生じる典型的な失敗パターンは以下の2つです。
第一に、「表に糸が目立つ」現象です。これは、ジグザグ針が左に振れた際のまつり縫い針の落とし位置が深すぎることが原因です。折り山の端から2mmも3mmも内側に針が落ちてしまうと、表地を大きく巻き込んで縫い留めるため、表側に太いステッチが露出してしまいます。これがまつり縫い表に糸が出る対処法を求める最大の要因です。
第二に、「縫い目が外れる」現象です。表に出るのを恐れるあまり針を左端に寄せすぎると、針が折り山の空を切り、表地を一切すくわずに裏の折り返し部分だけを縫ってしまいます。結果として、広げた瞬間に裾が留まっておらず外れてしまいます。
つまり、ミシンのまつり縫いは「折り山の端からわずか0.5mm〜1mmの繊維を1〜2本すくう」という極めて精密な位置合わせが必要不可欠なのです。