現在、神戸三宮の駅前に降り立つと、頭上に広がる巨大クレーン群と美しく整備されつつある歩行者デッキが目に飛び込んできます。神戸市が主導する「神戸三宮再開発」は、単なるビルの建て替えにとどまらず、街の構造そのものを再定義する100年に一度の大プロジェクトです。
ここまで大規模な再開発が推し進められた最大の理由は、「6つの駅の分散と動線の複雑さ」および「老朽化したインフラの刷新」にあります。三宮にはJR、阪急、阪神、神戸市営地下鉄(西神・山手線/海岸線)、ポートライナーという主要路線が乗り入れていますが、従来は駅ごとの接続が分かりにくく、駅前の幹線道路が人の自然な移動を遮断していました。
神戸市が掲げた「えきまち空間」構想では、三宮交差点周辺の車線を大胆に規制し、人と公共交通が優先される広大な広場空間へと転換を図っています。雲井通5丁目地区の大規模複合ビル(バスターミナル直結の超高層ビル)の建設進行や、JR三ノ宮新駅ビルの具現化に伴い、これまで分断されていた「山側(北野方面)」と「海側(旧居留地・メリケンパーク方面)」がストレスなく結ばれ始めました。単なる交通の通過点から「滞在して楽しむ目的地」への脱皮こそが、現在進行形の劇的な変化の真相です。