単純性粃糠疹が3歳から15歳前後の成長期に集中する背景には、小児特有の肌環境が深く関わっています。
子供の皮膚は成人と比較して角質層が約半分の薄さしかなく、皮脂の分泌量も極めて不安定です。そのため、洗顔後の乾燥や外気による摩擦ダメージを受けやすく、角層のバリア機能が容易に崩壊します。この乾燥によって軽微な炎症が生じると、皮膚の中でメラニン色素を生成する働きが一時的に抑制されてしまいます。
さらに見逃せない要因が紫外線によるコントラストの強調です。春先から夏にかけて日差しが強くなると、健康な周囲の肌は日焼けによってメラニンを増やし小麦色に変化します。しかし、バリア機能が損なわれてメラニン生成が滞っている部分は日焼けしないため、周囲との色の差が広がり、結果として「白く浮き出た斑点」が目立つようになります。
なお、保護者から最も多く受ける「皮膚のはたけは他人にうつるのか」という疑問に対して、医学的な結論は明白です。細菌やウイルス、寄生虫による疾患ではないため、タオルや寝具の共有、プールや入浴を通じて周囲へ感染する恐れは一切ありません。