かつて「日本語はブラックミュージックのリズムに乗らない」と信じられていた時代があった。その常識を根底から覆し、日本の音楽業界に本格的なR&Bとファンクの種を蒔いた立役者こそが久保田利伸である。J-POPという言葉すら定着していなかった頃から、彼は本場ニューヨークのサウンドを吸収し、独自の歌唱法へと昇華させてきた。
彼のボーカルスタイルは、拍のウラを取る独特のタイム感と、自由自在に宙を舞うメロディラインに特徴がある。単なるモノマネではない、日本人の琴線に触れるメロディセンスとブラックミュージックの骨太なリズムの融合。これこそが、40年近くにわたりトップランナーとして君臨し続ける最大の理由だ。