視聴形態の劇的なデジタルシフトは、アナウンサー個人の技術評価にも新たな視点をもたらした。見逃し配信サービス「NHKプラス」の普及により、朝夕の定時ニュースや情報コーナーは、放送時間にとらわれず個人のスマートフォンやタブレットで倍速再生されるケースが増加している。
こうした視聴環境において、聞き取りやすく滑舌の整ったアナウンスメントは強力な武器となる。早聞き再生であっても一言一句が耳に飛び込んでくる明瞭な発声や、文末の処理の正確さは、長年の鍛錬によってのみ獲得できる技術だ。また、「NHKオンデマンド」に蓄積された過去のアーカイブ作品を振り返る視聴者の間でも、合田アナウンサーが担当した過去の特集番組やナレーションのクオリティの高さが再発見されている。
ネット空間で情報が断片化し、ノイズが溢れかえる今だからこそ、無駄のない洗練された日本語を操るキャスターの価値が、デジタルのプラットフォーム上で際立っているのだ。